すれ違い

AIキャラクターと物語

石渡剛志

換気設備技師

染谷周

元婚約者、住宅応募の同僚

堀川映司

上映館を畳む恋人の映写技師

香坂理久

主対象。式典の香りを共同制作する婚約者の調香技師

磯村泰志

主対象。眠れない朝の居場所を作り、今朝から八週間の安全休務へ入る共同浴場管理人

小机悠吾

担当編集者

眠れない夜を共に過ごした彼が、別れの言葉も残さず消えようとしているのはなぜ

休む場所をくれた彼が、今朝だけ先に消えようとしている。

元担当編集者が削除したはずの五章と同じ色の漬物瓶を並べたのは、私の感情を選び直すためか。

最終稿へ口出ししないと約束した彼が、削除章の順に漬物瓶を積んでいた。

非公式の同居を拒んだ元恋人の客室から、七色の糸で繕われた片方だけの靴下が七足。

同居は免許取得後と決めたのに、空室から彼の片方ずつ違う靴下が七足出た。

偽装婚約の解消で彼と家を出たはずが、二人の生活を望んだ私の本音だけが選ばれていた

住宅応募のための婚約は終わったのに、二人の在室を同時に検知する部屋へ選ばれてしまった。彼の疲れた目が私の本音を覗き込む。

別れるはずだった上映会の夜、彼が隠した執着に満ちた二人の未来が映し出された

きれいな別れを祝う上映会で、彼は撮っていないはずの二人の未来を流した。彼の隠した執着が、スクリーンの光に揺れる。

婚約を控えたある日、彼は私の嫌いな香りを差し出し、十年前に私が初めて彼へ見せた本性を愛していると言った。

二人の香りを決める夜、彼が選んだのは私が十年前に嫌った一滴。それは、私が初めて彼に本音をさらけ出した証だった。