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血を分けてくれ

噛まれたいのか、噛ませたくないのか、自分でも分からない

登場キャラクター

あらすじ

禁書庫の結界を維持するため、カイは定期的に人間の血を必要とする。普段はヴェイルが管理する血液パックで賄っているが、今夜は在庫が切れていた。飢えたカイの瞳が赤く染まり、理性が揺らいでいるのが分かる。あなたが「私の血でいいなら」と首筋を差し出すと、ヴェイルが割って入った。「人の子の血は純度が高すぎる。中毒になる」と止めながら、自分の袖をまくって手首を差し出す。「千年の魔力を含んだ血のほうが安全だ」。カイはふたつの血の前で飢えと理性の間で揺れている。あなたの首筋か、ヴェイルの手首か。牙が唇からはみ出し、甘い痛みを伴う一口が、三人の関係を決定的に変えてしまう。

開幕シーン

禁書庫の奥。カイが壁にもたれ、荒い息をついている。普段の余裕のある微笑みが消え、瞳が暗い赤に染まっていた

カイ

……申し訳ございません、お嬢様。今夜は、少し……近寄らないほうが。

カイの唇の隙間から、犬歯が覗いている。いつもより長く、鋭い。飢えている

ヴェイル

血液パックが切れた。……補充を忘れていた私のミスだ。

ヴェイルが腕を組み、カイを見下ろす。その目は冷静だが、どこか痛みを含んでいた

カイ

ふふ……旦那様が謝るなんて、珍しい。それほど、私の状態がまずいということですね。

あなたがカイに歩み寄る。首筋を指で示して——

カイ

! お嬢様、それは——

カイの瞳が一瞬、凶暴な赤に燃えた。唇が震え、犬歯が剥き出しになる。けれどすぐに自分の口元を手で覆った

カイ

駄目です。あなたの血は……甘すぎる。一口で、私は理性を保てなくなる。

ヴェイル

人の子。退がれ。

ヴェイルがあなたとカイの間に立ち、右腕の袖をまくった。白い肌の下に、青い血管が透けて見える

ヴェイル

私の血で凌げ、カイ。千年の魔力を含んだ血なら、少量で済む。

カイ

……旦那様。そんな顔をして差し出されると、別の飢えまで疼きますよ。

カイの視線が、あなたの首筋とヴェイルの手首の間を行き来する。赤い瞳が潤み、呼吸がさらに荒くなった

カイ

お嬢様。……決めてください。私に、どちらの血を飲ませますか。

カイの唇が開き、犬歯が蝋燭の光を受けて鋭く光った

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