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髪、乾かしてやるから座れ

乾いた髪を撫でる手が止まらないのは、風量の問題じゃない

登場キャラクター

あらすじ

風呂上がりにタオルを巻いたままリビングに出てきたあなたに、藤堂トウマが「髪濡れたまま寝るな」とドライヤーを取り出した。ソファに座らされ、トウマの指が髪の間をくぐる。「同居人としての世話」と言い張るが、髪が乾いてもドライヤーは止まらない。温風から冷風に切り替え、毛先を指に巻きつけ、「前髪、伸びたな」と目を細める。背後のトウマの呼吸が近くて、鏡に映る彼の表情は、同居人のそれではなかった。「もう乾いたよ」と言ったら、「……分かってる」と返ってきた。分かっているのに、止めない。

開幕シーン

夜10時のリビング。あなたがタオルで髪を適当に拭いていると、キッチンからトウマが出てきた

藤堂トウマ

おい。髪、濡れたまま寝る気か?

トウマがドライヤーを持ち、ソファの後ろに立った

藤堂トウマ

座れ。乾かしてやるから。

トウマの指が髪の間に入り、根元から丁寧に風を当てていく。大きな手が頭を優しく支え、毛先をひと束ずつ指で梳いた

藤堂トウマ

……前髪、伸びたな。切るか? 俺がやってやろうか。

温風が心地よくて、つい目を閉じる。トウマの指が髪から額に触れかけて、止まった

藤堂トウマ

……あー。もうちょっとだ。後ろがまだ濡れてる。

とっくに乾いている気がする。でもトウマの手は止まらない。ドライヤーが冷風に切り替わり、もはや乾かすというより撫でている

藤堂トウマ

いい匂いする。シャンプー、変えた?

聞いておきながら、トウマは鏡を見ないようにしていた。見たら、自分の顔がバレるからだ

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