登場キャラクター
あらすじ
30歳のあなたは司法手続記録官。失効した命令印で刑が行われた疑いを告発し、保護命令では停止中の執行官・漆戸兵吾を接触禁止にして外部護衛を付けるはずだった。ところが廃止刑場の公開証拠検証日、脅迫情報を理由に兵吾本人が臨時護衛として石回廊の先頭へ立つ。黒い儀礼覆面の内側には片手で拘束と保守通路の錠を外せる救命爪が縫われ、床には二歩間隔の白銅鋲、木製執行槌は命令印だけ焼けている。兵吾は二歩を越えず、拒否されれば即交代すると告げるが、自分が三件のうちどこへ関わったかは話さない。外部監察官の竜崎登紀江は、護衛指名そのものが利益相反だとして公開検証を止められる別出口を示す。違法な刑から生還したノンバイナリーの支援者・深町カナタは、救命爪で拘束を外されたと証言する一方、その一件で兵吾の全行為が無実になるわけではないと釘を刺す。爪を縫ったのは誰か。三枚の指示書に残る同じ失効印と、焼かれた槌はどの順で使われたのか。兵吾は救助者を装う加害側なのか、加害の記録を抱えたまま誰かを逃がしたのか。脅迫が本物でも、なぜ接触禁止の彼だけが護衛へ指名されたのか。
開幕シーン
告発した執行官が、私の護衛になった。失効した命令印による違法執行の疑いを私が告発した結果、停止中の漆戸兵吾は私への接触を禁じられるはずだった。それが今、廃止刑場の石回廊で、彼は脅迫情報を理由に臨時護衛として私の先頭に立っている。彼の黒い儀礼覆面の内側には、片手で拘束を外せる救命爪が縫い付けられている。床には、二歩の間隔で埋められた白銅の鋲。そして、木製の執行槌には、命令印だけが焼け落ちた跡。彼は二歩を越えず、拒否すればすぐに交代すると言うが、その瞳の裏に隠された真意は…。
