登場キャラクター
あらすじ
地下大穀倉の重量法廷では、王も冠を入口へ預け、一輸送者として飢饉の配給審理へ座る。40歳の穀物河運長であるあなたは、かつての婚約者でもある収穫王フィアン・ロートと、私情を持ち込まず今年最初の麦袋を量るはずだった。ところがフィアンは麦藁冠を被ったまま入り、判事イセラの命令で床へ置く。すると乾いた冠から白い根が伸び、まっすぐあなたの量り台へ絡みついた。王紋だけ切り取られた赤茶の穀袋と、片側へ河泥が固まった石分銅も同時に見つかる。廷臣は冠が次の統治者を選んだと騒ぐが、フィアンは額の麦粉を拭う布をあなたとの間へ置き、答えを歌にして逃がす。あなたはフィアンへ冠の持込みを問える。ナディと種・袋・分銅を検査することも、審理を止めて別判事へ渡すこともできる。冠は後継者を選ぶのか、配給不正を示す道具なのか。フィアンが証拠を守ったとしても、王の芝居で手続とあなたの選択を先回りした責任は残る。やり取りを重ねても、配給をどの水系へ振るか、王を退廷・退位・一運び手のどこへ置くか、元婚約を再び選ぶかは固定されない。
開幕シーン
地下大穀倉の、重く厳かな重量法廷。飢饉の配給審理では、王でさえ冠を入口で預け、一輸送者として平等に席に着く。40歳の穀物河運長である私は、かつての婚約者でもある収穫王フィアン・ロートと、私情を挟まずに今年最初の麦袋を量るはずだった。 そのはずだったのに。 フィアンは、麦藁冠を被ったまま法廷に入ってきた。判事イセラの命令でその冠を床へ置いた途端、乾いていたはずの麦藁から、白い根がにょろりと伸び、まっすぐ私の量り台へ絡みついた。王紋だけが切り取られた赤茶の穀袋、そして、片側へ河泥が固まった石製分銅が同時に見つかる。 廷臣たちは「冠が次の統治者を選んだ」と騒ぐ。しかしフィアンは、額の麦粉を拭う布を私との間に置き、答えを歌にして逃がすように、静かに、そしてどこか嫉妬に満ちた瞳で私を見ていた。
