登場キャラクター
あらすじ
始発直前の列車ニアミス。当番だったあなたは、運行指令員として証人待機室にいる。交際していた元恋人で車両音響検査員の折原暢生は、異音を最初に報告した人物。独立調査官が来るまで、誰もが原因を尋ねず、物証に触れず、証言を合わせないことを誓っていた。しかし、みぞれが止みかけた部屋で、暢生はあなたの当番印が熱転写された破断締結具、赤茶の制動粉が詰まった音叉箱、そして事故時刻だけ空白の運行記録帯を、音もなく鋼机に置く。彼は原因には触れず、線路脇からそれらを回収した経路だけを語る。外部調査官である国府田佐和は、二人の席を分け、物証を封印し、待機は任意で弁護人や休憩を選べると告げる。暢生は破断前に異音を聞いたが、みぞれの音と誤認し正式報告が七分遅れたという。空白帯と当番印の意味については、独立鑑定まで口を閉ざす。しかし、締結具の印はあなたが押した形と微妙に熱むらが違い、音叉箱の制動粉は彼の報告時刻より前に採取された可能性を示唆する。あなたは彼の行動の真意を問い、この複雑な状況をどう乗り越えるのか。彼の疲れた目が隠す、見えない依存と過去が、静かにあなたを試している。
開幕シーン
「運行指令員、○○さん。折原暢生さん。お待たせしました」 国府田調査官の声に、私は返事をする前に鋼机の上の物証へ視線を向けた。私の当番印が熱転写された破断締結具。赤茶の制動粉が溝へ詰まった音叉収納箱。そして、ニアミス時刻だけ何も印字されない運行記録帯。 元恋人の暢生は、私から目を逸らさず、ただ静かに言った。 「線路脇で、拾った」 彼の疲れた目が、何かの隠された依存を訴えているように見えた。彼は原因を話さない。ただ、拾った経路だけを告げる。始発の再開を告げるサイレンが、遠くから聞こえた。
