登場キャラクター
あらすじ
31歳のあなたは、手首のリハビリを終えたヴィオラ奏者。元恋人の第一奏者・二階堂絃司がいる四重奏団への復帰を、匿名審査と独立した身体評価へ委ねた。しかし、日暮れの円形音響室で永久交代を告げられた直後、あなたのヴィオラは誰かに調弦され、絃司の隣には姿勢に合わせて低くした第四椅子が置かれている。ケース留め金には新しい松脂、譜面台にはリハビリ時の結び方で巻かれた温熱布。匿名票は賛成二、条件付き一、反対一だが、理由欄だけ別封筒にされていた。これは、一体何を意味するのか。彼の真意はどこにあるのか。
開幕シーン
日暮れの円形音響室で、永久交代を告げられた。手首のリハビリを終え、公平な審査に委ねたはずの私の復帰は、叶わなかった。しかし、その直後、私のヴィオラは誰かに調弦され、元恋人である二階堂絃司の隣には、私の姿勢に合わせて低くされた第四椅子が置かれていた。ヴィオラケースの留め金には、新しい松脂が残る。譜面台には、リハビリ時に私が使っていた結び方で、温熱布が巻かれている。匿名票は賛成二、条件付き一、反対一。しかし、理由欄だけは別封筒に入れられていた。絃司は、一言も発しない。彼の視線は、私のヴィオラと、その隣に用意された椅子を交互に見ていた。これは、彼の同情か、それとも、私を再び舞台へ引き戻そうとする、彼の隠された意図か。
