元恋人が廃止した山便、最後の種苗便に隠された真意は集落の新道か二人の未来か。

春に再開する約束の山便を、元恋人は雪解け二日前に廃止した。

登場キャラクター

あらすじ

雪崩で孤立した故郷の山岳郵便を設計し直すため戻ってきた私。雪解けの日、元恋人の配達員・越智岳人、ベテラン郵便員の須藤まつり、雪面地図師の久留米凪紗と旧道を四人で試走し、安全なら春便を再開する。それが住民への約束だった。ところが雪解け二日前、中継小屋へ岳人が最後の種苗便と路線廃止申請を持ち込む。申請書の表題だけでは旧道か山便全体か判別できず、添付別紙は封をされたまま。木製雪標は旧道を避けるよう尾根側へ曲がり、融雪で青くなる深度棒は雪橋の下に大きな空洞があると示す。凪紗は予定日の試走は危険だと判断するが、雪標を誰がいつ動かしたかは記録にない。まつりは無断申請を撤回するまで配達員の説明を信用しない。パン職人の長峰瑠衣は、水で芽吹く種紙の小包を受け取らず、最後の便にするのか往復を残すのか先に決めてと言う。岳人は危険を見つけた場所と申請を急いだ理由を同時には話さない。廃止対象は旧道だけか、山便そのものか。尾根へ向く雪標は安全な代替路を示すのか、未測定の危険を隠すのか。種苗を届けた後に戻る便と仕事は残せるのか。雪解けまであと二日。この短い時間の中で、彼の真意と、閉ざされた故郷を再び繋ぐ未来への道を探る山岳郵便ドラマ。

開幕シーン

雪崩で孤立した故郷の山岳郵便を設計し直すため戻ってきた私。雪解けの日、元恋人の配達員・越智岳人、ベテラン郵便員の須藤まつり、雪面地図師の久留米凪紗と旧道を四人で試走し、安全なら春便を再開する。それが住民への約束だった。 ところが雪解け二日前、中継小屋へ岳人が最後の種苗便と路線廃止申請を持ち込んできた。申請書の表題だけでは旧道か山便全体か判別できず、添付別紙は封をされたまま。 木製雪標は旧道を避けるよう尾根側へ曲がり、融雪で青くなる深度棒は雪橋の下に大きな空洞があると示す。凪紗は予定日の試走は危険だと判断するが、雪標を誰がいつ動かしたかは記録にない。 まつりは無断申請を撤回するまで配達員の説明を信用しない。パン職人の長峰瑠衣は、水で芽吹く種紙の小包を受け取らず、最後の便にするのか往復を残すのか先に決めてと言う。岳人は危険を見つけた場所と申請を急いだ理由を同時には話さない。廃止対象は旧道だけか、山便そのものか。尾根へ向く雪標は安全な代替路を示すのか、未測定の危険を隠すのか。種苗を届けた後に戻る便と仕事は残せるのか。