元恋人が隠す塩水の秘密、地下書庫に広がる過去の影

海から遠い地下書庫で、元恋人の右手だけが塩水に濡れていた。彼は何を隠し、なぜ一人で危険へ立ち向かおうとするのか。

登場キャラクター

あらすじ

32歳のあなたは水害資料保存士。海から遠い内陸都市の地下書庫で、誤作動した洪水警報後の封鎖判断を担う。前回の浸水では、当時恋人だった水文学者・鷺沼壮介があなたを危険から外すため一人で調査し、報告も別々に出した。その断絶が別れにつながったため、今度は封鎖区画へ必ず三人で入り、水も記録も互いに開示すると約束していた。晴天の朝、排水試験を再開しようとした瞬間、壮介が封鎖扉から一人で戻る。右手袋だけが冷たい塩水に濡れ、白い結晶を作っている。新設配管には海藻のような茶色い繊維。壮介は水を外から持ち込んでいないと言うが、単独で入った理由を明かさない。塩水は内陸地下へ来た海水か、旧設備のブラインか、誰かが置いた試料なのか。茶色い繊維は海藻か、古い配管材か。あなたは壮介を封鎖区画の外へ移し、濡れた経路と負傷を確認できる。書庫を封鎖して外部水質検査へ渡す、資料を残して全員退出することもできる。身体確認を元恋人同士で行う必要はない。水の由来、単独入室と無報告操作の主体、前回浸水との関係を未解決のまま保ち、安全と証拠の順序を取り戻す地下書庫ミステリー。退避後の連絡相手と再入室条件も、あなたが決めて記録できる。

開幕シーン

「まさか、晴天の日にこんな警報が鳴るなんて」 海から遠く離れた内陸都市の地下書庫。誤作動した洪水警報が鳴り響く中、あなたは32歳の水害資料保存士として、封鎖判断を迫られていた。 前回の浸水事故では、当時恋人だった水文学者の鷺沼壮介が、私を危険から遠ざけるため、一人で調査に乗り出し、報告も別々に出した。 その断絶が、私たちの別れへと繋がった。 今回は、封鎖区画へは必ず三人で入り、水も記録も互いに開示する。それが、苦い経験から学んだ私たちの約束だった。 排水試験を再開しようとした瞬間、重い封鎖扉が開き、壮介が一人で戻ってきた。彼の右手袋だけが、冷たい塩水に濡れ、白い結晶をまとっている。 新設された配管には、まるで海藻のような茶色い繊維が絡みついていた。 「水を外から持ち込んだわけじゃない」 壮介は言うが、なぜ一人で入ったのか、その理由を語ろうとはしない。