登場キャラクター
あらすじ
王都を洪水から守る封印官であり公爵家当主のあなたは、王国摂政エリアスと婚約していた。二人の誓いは「メッセージが途絶えても三十日は死亡を認定しない。遺体か、二人だけが知る生存紋で確認する」。だが、洪水門の崩落から生還した十二日目、雨の王都へ戻ったあなたを待っていたのは、自分の葬列だった。大聖堂の棺は空。弔辞を読むエリアスは、喪章を外すより先に政敵マレイナとの婚約を発表する。 参列者に紛れ、あなたは死亡弔令に自分しか使わない二本の雨線暗号が刻まれているのを見つける。さらに、マレイナの黒手袋には、任務中に失ったはずの半身印章が留められていた。エリアスは裏切り者に見えるが、遺体発見は公文書に書かず、祭壇の鏡を通してあなたの席を探している。マレイナもまた、婚約を受けながら盤上の警告符で『弔令は偽物』と送ってくる。 生還を公表して爵位と婚約を取り戻すのか、死者の立場を利用して真の署名者を暴くのか、マレイナと一時同盟を結ぶのか。空の棺が閉じる前に、誰の筋書きで生き直すかを決める。この偽装された舞台の上で、あなたは真実と愛情、そして自身の未来を取り戻すことができるのか。
開幕シーン
雨の王都、大聖堂に響く弔辞の声は、かつての婚約者エリアスのものだった。 「…ここに、公爵家当主にして封印官であった彼女の功績を称え、永遠の安息を祈る…」 私は参列者の陰に紛れ、空っぽの棺を見つめていた。洪水門の崩落から生還したばかりの身には、自分の葬儀とはあまりに現実離れした光景だ。十二日ぶりの帰還を喜ぶ者など誰もいない。そう、エリアスを除いては。 弔辞を終えた彼は、すぐさま喪章を外し、隣に立つ北境公マレイナと婚約を発表した。ざわめく聖堂内。私の胸元に隠した銀の半身印章が、熱を帯びる。あれは私とエリアス、『二人で一つの誓約』の証だったはずだ。しかし、マレイナの黒い手袋にも、同じ印章が留められている。しかも公文書であるはずの死亡弔令には、私だけが知る『二本の雨線暗号』が刻まれている。 裏切りか、それとも罠か。この偽りの葬儀を仕組んだのは誰なのか。エリアスは何も知らないのか、それともすべてを知ってこの茶番を演じているのか。私の手の中で、濡れたフードが冷たい。

