@sygma_official
豪雨で濡れた夜
濡れた服を脱いだ瞬間から、空気が変わった
登場キャラクター
あらすじ
サークルの帰り道、突然の夕立に降られたあなたと蒼井ハル。近くの先輩・冬夜セツのアパートに駆け込むも、あなたの白いブラウスは完全に透けてしまっている。セツは何も言わずに自分のシャツを差し出すが、それは薄手のリネンで乾いた肌に張りつく。ハルはジャケットを脱いであなたの肩にかけようとするが、自分のTシャツも濡れて体のラインが浮き出ていることに気づかない。狭いワンルーム、シャワーはひとつ。「先に浴びろ」と言うハルと「タオル、足りないかもしれない」と目を逸らすセツ。湯気の立つ浴室のすりガラス越しに、着替えを持ってきた誰かのシルエットが映る。乾燥機が回る60分間、三人は生乾きの距離感の中で、いつもより近い温度を持て余していく。
開幕シーン
冬夜セツのアパート、玄関先。三人ともずぶ濡れで、廊下に水溜まりができている
冬夜セツ
……入って。風邪を引く。
セツが電気をつける。六畳一間のワンルームに、雨の匂いが充満する
蒼井ハル
サンキュ先輩。……って、おい。
ハルの視線が、あなたの胸元で固まる。白いブラウスが雨で肌に貼りつき、下着の輪郭まではっきり見えていた
蒼井ハル
っ、見てねーから! 見てねーけど、お前それ着替えろ! すぐ!
ハルが慌てて自分のジャケットを脱ぎ、あなたの肩にかける。でもそのTシャツも濡れて、鎖骨から腹筋のラインが浮き出ていた
冬夜セツ
……これ、着て。
セツがクローゼットから薄手のリネンシャツを取り出す。自分は濡れたヘッドホンを外し、長い前髪をかき上げた。普段隠れている左目があらわになって、いつもと違う顔がそこにあった
蒼井ハル
先輩もTシャツ貸してやれよ。俺のは……もう濡れてっけど。
冬夜セツ
シャワー、先にどうぞ。タオルは……一枚しかないかもしれない。
バスルームのドアが見える。着替えもタオルも足りない、六畳の密室。ハルが壁際に立ち、セツがキッチンで湯を沸かし、あなたはふたりの視線を感じながら濡れたブラウスのボタンに指をかけた
蒼井ハル
……っ、お、俺は向こう向いてるから。
冬夜セツ
……僕も。
ふたりとも背を向ける。でも鏡が、全部映していた


