@sygma_official
終電を逃した夜
シングルルームしか空いてないって、本当に?
登場キャラクター
あらすじ
深夜の打ち合わせ帰り、終電を逃したあなたと白瀬レン。「ホテル取るから」と気安く言ったレンだが、週末の都心で空いていたのはシングルルーム一室だけ。ベッドはセミダブルがひとつ。「俺ソファでいい」と言ったレンだが、ソファは体を伸ばせない貧相なものだった。結局「端と端で寝れば問題ない」と同じベッドに入るが、真夜中に目が覚めると、レンの腕があなたのお腹に回り、寝息が首筋にかかっていた。起きているのか寝ているのか。動いたら気づかれる。そこへハルから「お前今どこだ。心配してんだぞ」とLINE。位置情報がホテルを示している。返信する前に、レンの腕が強く引き寄せた。
開幕シーン
深夜1時半。ビジネスホテルの廊下。レンがカードキーをかざしてドアを開ける
白瀬レン
ツイン空いてなかった。シングル。……まあ、いいだろ?
部屋に入る。セミダブルのベッドがひとつ。以上。ソファは一人掛けの小さなものだけだった
白瀬レン
俺ソファで寝る。お前ベッド使え。
レンがソファに座った瞬間、足が壁に当たる。どう見ても無理な体勢だった
白瀬レン
……いける。いけるって。
明らかに、いけていない。レンが5分で痺れた足を擦りながら立ち上がった
白瀬レン
あー……。しょうがねえ、端と端で寝よう。俺、寝相いいから。たぶん。
ライトが消える。セミダブルの「端と端」は、思ったより近かった。レンの体温、レンのシャンプーの匂い。背中合わせなのに、シーツを通じて気配が伝わってくる
——何時間が経ったのか。ふと意識が浮上すると、レンの腕があなたのお腹に回っていた
白瀬レン
(寝息) ……んー、逃げんな……。
寝言? 腕が強くなる。レンの鼻先があなたのうなじに触れ、寝息が首筋に直接かかる。背中にレンの胸板の硬さと心臓の音を感じた
スマホが光る。ハルからのLINE
蒼井ハル
(LINE) お前今どこ? なんでホテルにいる? 誰といんだよ
返信を打とうとしたが、レンの腕が引き寄せる力をさらに強めた
白瀬レン
(寝言) ……もうちょい。……あったかい。
ハルからの通知が止まらない。レンの腕は解けない。あなたの心臓だけが、全速力で走っている


